明けましておめでとうございます!本年もどうぞよろしくお願い致します。
さて新年の弾き始めはショパンのバラード第1番でした。
クラシックに馴染みのある方はもちろんのこと、クラシックに馴染みのない方でも聴いたことがある、という方は多いのではないでしょうか。
フィギュアスケートの羽生選手がプログラムに用いていたり、CMや映画で使われることも多かったり…何年もの間、何百万人がこの曲を弾いているのにも関わらず、色褪せない作品というのは本当にすごいことです。
私がこの曲を演奏したいと思ったきっかけはいくつもありますが、中でも強く思ったのは「戦場のピアニスト」という映画の中で聴いてからでした。

舞台は第二次世界大戦のポーランド。ポーランド人のピアニスト、ウワディスワフ・シュピルマン(Władysław Szpilman)の体験記が基になって制作された映画のラストシーンで、ショパンのバラード1番が演奏されます。諦めと希望と苦しみを強く訴えかけるように歌われるこの音楽に改めて感動し、絶対弾こうと決めてはいたものの、なかなか取り組む時間を逃して手が付けられていない状態でした。
時間を言い訳にしては絶対弾く機会を逃すと思い、今回本番3週間前くらいから急ピッチで譜読みを始め、なんとか間に合わせました。
耳にタコができるくらい色々な人の演奏を聴いていたので譜読みはすぐにできたものの、逆に耳で覚えすぎていたからなのか新鮮味がなく、初めての曲に触れる喜びみたいなものが無かったのは残念…
それでも弾けば弾くほど、「あぁ、どうしてこんな音楽が書けるの…」と何度思ったことか。
弾きながら感動して、一音一音味わいたくて、前に進めなくなるんです(笑)
そういうのって、私にとってはピアノが弾けて良かったと思う瞬間だったりします。
大切にしたい1曲として、ゆっくり時間をかけて育てていこうと思います。