明けましておめでとうございます!
本年も皆さまにとって素晴らしい1年になりますように。
2023年最初の弾き初めに選んだのは、フランスバロックの作曲家J=P.ラモー。
大学院在籍中、チェンバロの授業で扱ったことはあったもののピアノで演奏会で演奏するのは今回が初めて。
エリザベート王妃国際音楽コンクールで3位に入賞した務川慧悟さんの
新クラブサン曲集第1番より 7.ガヴォットと6つのドゥーブル を聴いて惹きつけられ、それ以来いつか本番で演奏したいとずっと頭の中にあった作品でした。
今回はその作品と同じく、新クラブサン曲集第2番より 8.エジプトの女 という作品を組み合わせて演奏しました。
ラモーの演奏に際してチェンバロの授業の中でよくご助言頂いたことが「和音の中で奏でる」ということ。ラモーは400ページを超えの音楽理論書『和声論 Traité de l’harmonie』を残していますが、その中でも和声進行について理論的に唱えられています。
装飾音が(非常に!)多いラモーの作品。
気を付けないと右手だけが突出してトリルのオンパレードになりかねない…でも装飾を除いてみると非常にシンプルな和声で構成されていて、いかにこれらの作品の軸に「和声」が大きな役目を果たしているのかが分かります。
そしてピアノで演奏する際の工夫も必要。
今回はノンペダルで演奏し、リピートした際は装飾を多く入れ、最終変奏で終わらせずアインガングを挿入して再度テーマへ戻るという構成で創りました。
演奏者によって内容が変わるのもとても面白く、奏者それぞれが持つ無垢な音楽性に触れられる音楽でもあるなと感じます。
ラモーはバッハほど演奏される機会も少ないものの、素晴らしい作品が多いと今回改めて気付かされました。ぜひ皆さまもラモーを聴いてみてください!